雪ととる

遠距離(海外×日本)になると分かっていて付き合い始めました。遠距離恋愛となるのか、想い出ブログとなるのか…。

お願い

ゆきには少し荷が重い話だけど

『来年同棲したい』

そう言ってくれているゆきだから

 

「お願いがあるんだけど

    時間があるならで良いから

    父に会ってくれないかな?

    結婚とかじゃないから

    ただ父を安心させたくて」

 

言うのも悩んで

振り絞って伝えた言葉を

ゆきはあっさり

 

『良いよ、凄い楽しみ

   もう行く気満々だから』

 

と言ってくれた。

 

実家に帰ってからも

何度も私の電話を

嫌がらず受け取ってくれて

話を聞いてくれて

泣いても傍にいてくれた

 

『トトが心配。無理しないでね』

 

そう何度も言いながら。

 

父は幸いまだ何も無いように元気で

私は笑っていられたんだけど

先の事を考えると怖すぎる。

 

実家を後にして

そのままゆきに会いに行くと

 

『会いたかった。大好きだよ

   トトが愛しい

   トトが彼女で良かった』

 

と何度も言ってくれた。

 

聞きたくない電話

 

次の日もゆきは傍にいてくれた

バイト前に

『看病のお礼』と言い

美味しいご飯をご馳走してくれた。

 

私はその日弟からの電話を

受ける約束をしていて

ソワソワしていたから

きっとゆきは傍にいてくれたんだと思う

 

電話を受けて

ステージ4だと聞き

昨日と変わらない内容に

泣き出す弟

弟の前では泣かずにいたかったから

励まして電話を切る。

 

切った瞬間

堪えきれない涙が溢れてきて

ゆきがトイレから戻る前に

止めたかったのに止められなくて

顔を覆ってる私に

ゆきは優しく背中をポンポンして

抱き寄せてくれた。

 

止まらない

受け入れたくない

どうしたらいいのか分からなかった

傍にいて

バイトに行く前に

ゆきと待ち合わせして

一緒にお店に来てくれることになった

 

そして用意をしている時に

家族からの連絡に気付きかけ直す

 

『父さんが入院した。膵臓癌だって

   手術も出来ないらしく

   年は越せないって言われた』

 

言ってる意味が分からなくて

ただただ漠然と

不安だけが押し寄せてくる。

 

すぐには休めないけど

月曜に休みをもらい

実家に帰ることを決める。

 

バイトにはしばらく

休日は入れない事を伝え

約束をしていた友人に

断りの連絡を入れる。

 

ゆきはずっと傍にいてくれて

『トトが心配。無理はしないで』

そのままバイトをしている私に

優しい言葉をかけてくれた。

 

 

伝わる

会いにいくと

顔が結構爛れていた。

気にしているゆきに

気にしてない素振りをする私。

 

私はゆきが元気ならそれでいい。

 

ゆきは自分の傷を気にしながらも

私を優しく力強く抱きしめてくれて

『好きだよ』と言ってくれた

 

『お前のものは俺のもの』

なんてジャイアンみたいなことを言い

 

その後バイトの私を長く引き止めた

『えーまだいいでしょ

    行かないで、一緒にいよー』

と力を込められると

なかなか抜けられない…笑

 

会った時間が短すぎて

寂しくて寂しくてゆきに当たる

 

『何か気に障ることした?』

 

謝りのつもりで電話を入れる

 

「寂しくなって」

 

『また海外行ってもすぐ会えるよ』

 

1時間電話に付き合ってくれて

今日も会いに来てくれる事になった

 

早く会いたいな

 

 

思い

 

ゼリーを食べさせていると

 

『愛を感じるわ〜』

 

と言い出したので

 

「愛してますから」

 

と伝えると

 

ギューッと抱き締めながら

『愛してるよ』と言ってくれた

 

陳腐な言葉だけど嬉しく思う。

 

「素敵な彼女だね〜」

 

『本当に素敵な彼女だわ』

 

「言わせちゃったわ笑」

 

『好きだよ、惚れ直す』

 

ゆきの役に立てたなら私は幸せ

今日は行けないけど

明日またお見舞いに行く。

 

私は密かに

土曜日のゆきの予定が潰れて

凄く嬉しがってる悪い人です。

 

高熱

 

仕事中、ゆきからLINEが入る

 

『熱出ちゃった』

 

最初は安静にねーくらいだったけど

時間が経つ度温度が上がり

仕事終わるくらいには39.8度に…

 

それを聞いて

急いでゆきの所に向かった

 

何がいるのか分からなかったから

〇冷えピタ

〇タオル2枚(体拭く用)

〇ポカリと水

〇ゼリー

〇おにぎり

を買って家に行ったけど

まだ病院から戻って来ていなかった。

 

『まだまだ待たせちゃうかも』

と、連絡が来たから

荷物を家に一旦置いて

タクシーでゆきのいる病院に向かった

 

診察室にいるゆきに

『関係性を告げたら

  中に入っても構わないです』

と受付の人に言われたけど

邪魔になるかと思い

しばらく待合室で待っていた。

 

それでも何十分と待たされたので

ゆきに連絡すると

 

『中においで』と言ってくれたので

中に入り、ゆきの関係者だと言うと

 

『どういうご関係ですか?』

と聞かれたので

「あ、こ、恋人です」

と少し恥ずかしく戸惑った…笑

 

中に入るとグダっと辛そうなゆき

『来てくれて超嬉しい』

 

「迷惑かなって思ったんだけど」

 

『超迷惑じゃない』

そう言いながら私の手を握り弱っていた

 

『惚れ直すわ、好きだわ』

そう言い甘えているゆきが可愛かった

 

結局原因はまだ分からず

入院するか明日の朝もう1度来るか

と選択肢があり

 

入院を勧めたけど『帰ります』と。

 

一緒にタクシーで家に帰ったのが

病院に着いてから約3時間後だった

 

ゆきの為に水やポカリを傍に用意し

布団も用意して寝かせ

頭に冷えピタを貼り

ゆきの同居人が帰るのを一緒に待った

 

『ねぇ、お願いがある

   ゼリー食べさせて?甘えていい?』

 

可愛いゆきのお願いを

叶えることにした

 

食べさせていると凄く嬉しそうで

何度も何度も『好きだわ』と言っていた

 

食べ終わり『抱きしめていい?』

と言うので「いいよ」とゆきの傍に

 

『トトが熱出したらすぐ行くからね』

 

「いいよ、感染っちゃうから笑」

 

『俺言うか迷ったんだよね』

 

「言ってよそこは」

 

お互い甘えたのワガママな会話

 

同居人が帰ってきて

明日ゆきを起こすことを頼み

 

終電のない私は

友達が働く飲み屋さんのソファーに

寝に行った笑

 

今日原因が分かり

早く良くなると良いんだけどな

安定

不安になることはたまにあるけど

ゆきと付き合う事に

気持ちが安定してきた気がする。

 

皆でいても気にして近寄ってきたり

皆に聞こえないように

『可愛いよ』て言ってくれたりして

 

好きな気持ちが伝わってくる

 

お泊まりして

一緒にご飯作って1日ダラダラして

ゲームしたりして

 

だらしない私も

『可愛い』と受け入れてくれる

少し反省…笑

 

すっぴんの私も

嫌がる反応も

『可愛い』と言うゆきに安心する

 

ゆきが好きだなって実感する日々

会えない時間が寂しい

 

また外国に行っちゃうんだなと思うと

悲しくなっちゃう

応援してるけど早く帰ってきてほしい

 

ゆきと離れてばかりなのに

ゆきに会いたい