電話

連絡がないことを寂しく思い

代わりに怒りのスタンプを送る。

『どした？』

あ、起きてるんだって思い

理由を話すと電話をしてくれた。

『会いたいな』

「２人でね」

『それな

   会いに来てくれないの？』

「仕事だから笑」

『隣りに来てほしい』

「好きよ」

『俺もだよ』

たわいもない会話の間に

気持ちを素直に話してくれて

次はいつ会えるんだろって考えて

「もうすぐ行っちゃうんだね」

『1年半前から言ってたでしょ』

「いやいや、その頃出会ってない笑」

なんてくだらない冗談を挟み

『１年に４回来て

   各３ヶ月滞在してくれるんでしょ？

   だから俺寂しくないよ』

「いやだからそれ

   そっちに住んじゃってるじゃん笑」

良い時期に

一番幸せな時期に離れるからこそ

大事にしようと思えるのかな

この気持ちが続くなら関係も…

なんてそんな甘いものじゃないのは

分かってるんだけど期待したくなる

新しいものに向かっていく

ゆきの支えに

ゆき

私がゆきに執着しないように

何も言っていないの分かってるかな

寂しい気持ちに気付いてくれているかな

ゆきが進んでるから

私も頑張ろうと思えるんだよ

心の底から応援してる

頑張って笑って元気でいて

ゆきの寝息が聞こえてきて

落ちたのが分かったから

「おやすみ」と告げて電話を切った。