雪ととる

遠距離(海外×日本)になると分かっていて付き合い始めました。遠距離恋愛となるのか、想い出ブログとなるのか…。

落ち着く

 

バイト後にゆきに会いに行き

ゆきは用事で出かけてたから先に寝る

 

夜中に目が覚めても

隣にゆきはいなくて

異様な不安と寂しさから

ゆきに電話をする

 

『ごめん今(近くの)コンビニ』

 

もうすぐ帰って来る安堵と

遅い!と思った怒りから

少し不貞腐れて

背中を向けながら帰りを待つ

 

ドアが開く音が聞こえて

「おかえり」『ただいま』

ゆきの声に安心した。

 

そーっと優しく

後ろから抱きついてきたゆきは

『あー本当に落ち着く

   トトにこうしてるだけで良いわ』

嬉しい事を言ってくれたから

正面を向いて抱きつくと

 

『なんでこんなに好きなんだろ

   好きすぎて爆発しそう』

 

そう言ってくれた

 

『なんでこんなに好きだと思う?』

 

「分かんない」

 

『愛してるからだよ

   なんで愛してると思う?』

 

「分かんない」

 

『大事だからだよ

   なんで大事だと思う?』

 

「分かんない」

 

『トトを想ってるからだよ』

 

可愛いなって思う。

 

同棲する事を真剣に考え

これからの仕事の

プランを話してくれたり

 

『子どもほしいなって思う』

なんて言ってくれたりして

 

『こんなに好きになったのは

   初めてだな。可愛いわ。』

 

なんて幸せだなーと思う。

傍に来て

帰ってきてからほぼ毎日一緒にいた

飽きないどころか

離れるのが寂しくて

好きだなって実感する。

 

『好きすぎてどうしよう』

 

「もっと好きになって」

 

『これ以上なるかな?』

 

「なるなる!絶対なる!」

 

『仕方ないなー』

 

「ラブラブか!笑」

 

『ラブラブだよ』

 

可愛いゆき、愛おしいゆき

 

『まだ早いけど

   トトとの子どもなら欲しいと思う』

 

「今出来たら

    シングルマザーになるね」

 

『それはない。

   シングルにはさせない。』

 

何度も好きだと抱きしめてくれて

 

『傍にきて』

 

「ん?隣にいるよ?」

 

『もっと近く』

 

体ごとゆきに預けると

嬉しそうにする顔が可愛くて

 

『俺の事を好きだと

   言ってくれるのが嬉しい』

 

「私も同じ

   好きだと言ってくれるから嬉しい」

 

仲良いなって思う。

心配

私の体を心配して

仕事やバイトを休めと言うゆき

 

私は実家に帰るお金を

少しでも稼ぎたいから止めない。

 

それを見て怒るゆき。

私の為に怒ってくれてるから

不謹慎にも嬉しい。

 

『トトの事を心配してるんだよ』

 

そう言って抱きしめてくれる。

 

『好きすぎてどうしよう』

 

「もっと好きになって」

 

『愛してる』

 

泣きそうになる。

嬉しくて、も、そうだけど

その感情は続かない気がして。

 

『ちゃんと寝れた?』と

心配してくれて私の体調を気遣う

 

「ねぇ、今度のゴルフ後に

   実家に来てくれるでしょ?

   バス何時?」

 

『22時くらいかなー?』

 

「んー。」

 

『どうした?』

 

「ゴルフ後皆で集まるでしょ?

   ゆきはあんまり居れないなって

   悪い事したなーと思って」

 

『別にいいよ

   それに俺実家に行くことに

    楽しみにしてるから』

 

さらっとそう言いのけるゆきが好き

 

 

自分不信

ゆきが私を褒めたり

好きだと伝えてくれる度に

信じていないわけじゃないけど

 

どうして私を?

私のどこが良いの?

 

と不思議に思う。

 

私なんかより良い人は

数倍いるはずだから

私で満足出来るわけないって

心のどこかで思っているのか

 

真剣に想われ大事にされる程

怖くなる。

 

私は自分に自信がないんだろうな

ってつくづく思う瞬間

お願い

ゆきには少し荷が重い話だけど

『来年同棲したい』

そう言ってくれているゆきだから

 

「お願いがあるんだけど

    時間があるならで良いから

    父に会ってくれないかな?

    結婚とかじゃないから

    ただ父を安心させたくて」

 

言うのも悩んで

振り絞って伝えた言葉を

ゆきはあっさり

 

『良いよ、凄い楽しみ

   もう行く気満々だから』

 

と言ってくれた。

 

実家に帰ってからも

何度も私の電話を

嫌がらず受け取ってくれて

話を聞いてくれて

泣いても傍にいてくれた

 

『トトが心配。無理しないでね』

 

そう何度も言いながら。

 

父は幸いまだ何も無いように元気で

私は笑っていられたんだけど

先の事を考えると怖すぎる。

 

実家を後にして

そのままゆきに会いに行くと

 

『会いたかった。大好きだよ

   トトが愛しい

   トトが彼女で良かった』

 

と何度も言ってくれた。

 

聞きたくない電話

 

次の日もゆきは傍にいてくれた

バイト前に

『看病のお礼』と言い

美味しいご飯をご馳走してくれた。

 

私はその日弟からの電話を

受ける約束をしていて

ソワソワしていたから

きっとゆきは傍にいてくれたんだと思う

 

電話を受けて

ステージ4だと聞き

昨日と変わらない内容に

泣き出す弟

弟の前では泣かずにいたかったから

励まして電話を切る。

 

切った瞬間

堪えきれない涙が溢れてきて

ゆきがトイレから戻る前に

止めたかったのに止められなくて

顔を覆ってる私に

ゆきは優しく背中をポンポンして

抱き寄せてくれた。

 

止まらない

受け入れたくない

どうしたらいいのか分からなかった

傍にいて

バイトに行く前に

ゆきと待ち合わせして

一緒にお店に来てくれることになった

 

そして用意をしている時に

家族からの連絡に気付きかけ直す

 

『父さんが入院した。膵臓癌だって

   手術も出来ないらしく

   年は越せないって言われた』

 

言ってる意味が分からなくて

ただただ漠然と

不安だけが押し寄せてくる。

 

すぐには休めないけど

月曜に休みをもらい

実家に帰ることを決める。

 

バイトにはしばらく

休日は入れない事を伝え

約束をしていた友人に

断りの連絡を入れる。

 

ゆきはずっと傍にいてくれて

『トトが心配。無理はしないで』

そのままバイトをしている私に

優しい言葉をかけてくれた。